生後3週間ころから湿疹がでるようになり、月齢3ヶ月から1歳6カ月頃までステロイドを使用しておられましたが、一旦使用を中止し、ひどくなった時にステロイドを使うようにされていたところ症状の改善が見られないとのことで5歳になった最近にインターネットで小児鍼について調べられ、当院に来院されました。
来院時は両手首、膝、足首がひどく痒いようで、全身の皮膚の状態も全体的に乾燥傾向にありました。痒みがひどいところには引っ掻いたと思われるか所がいくつかあり、まだ乾ききっていないかさぶたも何か所かにみられました。体調を聞いている間にも、幾度も痒いところに手をのばして掻かずにはいられないようで、お母様がその度にお子様の手をそこから引き離され、優しく掻かないように話しかけていらっしゃいました。それでも、無意識で手が痒いところに伸びていくような状態でした。
一般的に小児鍼は刺さない鍼のことをさします。
当院の小児鍼はそのうえまるで全身を羽毛で擦られているような治療です。
お灸も、やさしくほっこり温まるお灸です。何回か治療していかれることで、お子様はみなさん小児鍼が大好きになります。
このお子様も、回を重ねるごとに最初は嫌がっていたお着替えもすすんでしてくれるようになりどんどん小児鍼が大好きになっていきました。それと共に、皮膚の状態もみるみるうちに改善されていき3回目の治療の時は、最初のあの乾ききっていないカサブタが手首に関しては以前の様子が思い出せないくらいに変わっていきました。
ある学会において、小児鍼の効用について特にアトピー性皮膚炎においては、かなりの方が小児鍼により症状が改善した、との報告の記事を読んだことがありますが、その報告には、「小児鍼をやると、子供の夜泣きや、疳の虫が劇的に改善する」し、「子どもの皮膚にきちんとした良い刺激を与えてあげると、体だけでなく、心も改善される」と記載されていました。
羽のような小児鍼で、また一人改善していくお子様を目の当たりし、鍼の効用に改めて感動を覚えました。
5歳 男子 アトピー